消化器内科、内視鏡科

当科で扱う主な疾患と症状

  • 消化器がん・大腸ポリープ・炎症性腸疾患・消化管出血・慢性肝炎、肝硬変・肝がん
  • 消化管疾患(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸の腫瘍や炎症性疾患、あるいは機能障害など)
  • 胆膵領域(膵腫瘍・胆道系腫瘍・胆管結石など結石性病変)

内視鏡検査方法の拡充

患者さまの苦痛・痛みに配慮した検査を目指し、上部消化管内視鏡(胃カメラ)では、鼻から挿入する「経鼻内視鏡」を主に使用します。
鼻から挿入する内視鏡は直径約5~6ミリメートルで、口から挿入する内視鏡の約半分の太さです。
当院で「鼻からの胃カメラ検査」をご希望の方は、かかりつけ医または担当医師へご相談ください。

がんの早期発見(胃・大腸・食道)

上部消化管内視鏡(胃カメラ)、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)などの検査を、画像強調内視鏡(NBI・BLI)・拡大内視鏡も併用し積極的に行い、胃がん、大腸がん、食道がんの早期発見を目指しています。検査でがんが見つかった場合には、病変が粘膜内にとどまる浅いものであれば、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)などの内視鏡による治療を行っています。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

早期の食道がん、胃がん、大腸がんが治療対象で、病気の大きさや深さによっては内視鏡で行うESDによる治療で完治できる場合があります。ESDは切除する範囲が少なく、従来の外科的治療(開腹手術)と比較して身体的な負担が少ないことが特徴です。具体的には鎮静剤で眠った状態で内視鏡を挿入し、がんなどの腫瘍のある部分の粘膜下層までを内視鏡の鉗子口から挿入した電気メスのような小さなナイフを用いて剥離し、病変を一括切除する入院での内視鏡治療です。合併症などの経過観察を行い、経過良好な場合の入院期間の目安は1週間です。

超音波内視鏡(EUS)/超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)

膵臓は周囲の臓器やお腹のガスなどの影響により、体外からの超音波検査では観察しにくい臓器です。しかし、超音波内視鏡(EUS)という先端に超音波装置が付いた特殊な内視鏡機器を用いることで、体内で超音波検査を行うことができ、詳細に病変を観察することができます。検査中にがんが疑われる病変が見つかった場合は、精査目的に入院が必要です。超音波内視鏡科穿刺吸引術(EUS-FNA)による検査では、病変に生検用の針を刺して細胞を吸引し、採取した細胞を顕微鏡で調べます。
EUSとEUS-FNAは共に鎮静剤を使用する検査です。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)とは内視鏡を使って胆管・膵管を造影する検査です。口から十二指腸まで内視鏡を入れ、その先端から膵管・胆管の中にカテーテルを挿入します。カテーテルから造影剤を入れて、膵管や胆管のX線写真をとります。同時に膵液や胆汁を採取したり、病変部から組織や細胞を取って検査を行うこともあります。胆汁や膵液が流れ出る部位を十二指腸乳頭といいますが、乳頭を広げる治療法には、十二指腸乳頭を高周波電気メスで切開する内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)や拡張用バルーンカテーテルを用いて十二指腸乳頭を拡張する内視鏡的乳頭バルーン拡張術(EPBD)があります。
EPBDは拡張ERCPで得られた結石の情報(大きさ・個数など)や十二指腸乳頭の状態を総合的に判断し、ESTを行うかEPBD/EPLBDを行うか検査中に決定します。

小腸ダブルバルーン内視鏡(DBE)

内視鏡および外筒の先端についた2つのバルーン(風船)を利用して尺とり虫のように小腸をたぐり寄せながら小腸の深部まで届く、特殊な長い内視鏡を用いた検査です。鎮静剤を使用し、経口と経肛門の2つのルートで実施します。従来の内視鏡では到達できなかった位置の検査や治療が可能になりました。
(対象疾患:小腸の炎症性疾患、出血、腫瘍、寄生虫,異物など)
また、当院ではカプセル内視鏡を用いた検査も行っています。

肝がんの診断治療

外科手術の対象とならない肝がんには、ラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓術に加え、放射線科と連携しサイバーナイフによる放射線治療を行います。

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