腎臓内科

当科で扱う主な疾患と症状

  • 検尿異常
  • 慢性腎臓病(腎臓の機能の低下を指摘された方)
  • 急性腎傷害(急激に腎機能の低下を指摘された方) 
  • 電解質異常(ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの異常を指摘された方) 
  • 維持透析療法とその準備(血液透析や腹膜透析など維持透析が必要な方) 
  • 上記の疾患に伴う各種の相談
  • 上記の疾患に伴う症状でお困りの方

検尿異常を指摘された場合

検尿異常を指摘された場合の診断

腎臓は尿をつくるための工場であると考えることができます。検尿異常は、腎臓の機能の障害を示す大切な症状のひとつです。まだ自覚症状が出ていない場合でも検尿異常から腎臓の病気が見つけられる場合があります。腎臓内科では検尿異常の確定診断をする際には腎生検を行います。腎臓病の確定診断をすることで適切な治療方針が選択されます。

腎臓自体の病気では無くても糖尿病、高血圧、肥満症などで腎臓が障害を受けた場合に検尿異常となって表現される場合があります。このように問診や画像検査・採血検査などで原因が推定される場合には必ずしも腎生検は必須ではありませんが放置すると腎臓の機能の障害が進行する可能性が高くなりますのでそのままにせず受診をしてください。
検診システムなどの生活環境が充実し、慢性腎臓病の啓蒙活動などの甲斐もあり慢性糸球体腎炎(一般的に生活習慣病が直接的な原因とならない病気)は早期発見・早期治療を行い治す病気になりつつあります。是非お早めの受診をお願い申し上げます。

慢性腎臓病(CKD)

とくに腎機能の低下を指摘された場合には?

検尿異常が続いた場合、腎臓の機能が落ちている場合には慢性腎臓病(CKD)と診断されます。また検尿の異常や腎機の機能が低下していなくても腎臓の形態が正常とは異なる場合にも診断されることがあります。検尿異常がきっかけとなって腎生検で確定診断がなされた場合には、その病気に応じた適切な治療が選択されます。腎生検ができない場合でも原因の推定ができる場合には、患者さまの状況に応じて治療が選択されます。そのままにしておくことが出来ない検尿異常や、腎機能低下を放置すると腎臓自体の機能低下による様々なよろしくない症状が出ていきます。具体的には浮腫や呼吸苦、倦怠感などが挙げられますが患者さまの状態によりさらに多くの症状が出現する場合があります。高度に腎機能が低下した場合には血液透析、腹膜透析、腎移植への準備が必要となります。腎臓がほとんど機能しなくなった場合には血液透析・腹膜透析を行います。現在当院では腎移植は行っておりませんが、ご希望の腎移植が可能な施設に適切なタイミングでご紹介させていただきます。
腎臓病の患者さまはたくさんいらっしゃいますが、一人ひとりの状態に合わせた治療が必要となります。不安を抱えたままでお過ごしになられるのではなく、まずはその不安についての相談をするつもりで受診をしてみてください。

患者さまと私たちにできること

腎臓の病気と向き合うために。患者さまと私たちにできること
(腎臓内科での入院についてのご紹介)

腎臓病の治療を行う上で、まず慢性的に腎臓が障害を受けている場合には、原則としてほとんど回復しない臓器であるということを知っておくことが大切です。わが国において透析導入の原因となる病気に目を向けると糖尿病や高血圧を背景とした、加齢による腎機能低下の影響がもっとも問題となる状況となっています。
一般的には腎臓の機能低下がすすむと、「腎臓の機能を低下させる原因」に対するお薬や、腎臓の機能が低下しているために「腎臓の機能をサポートする」ためのお薬が必要となります。
より適切な治療を行う上で、患者さまのライフスタイルに合わせた薬剤や食事などを選択していく必要があります。腎臓内科で入院をされた場合には患者さま一人ひとりオーダーメイドでの治療を行うための検査だけではなく、栄養士による食事相談や、理学療法士による入院中の筋力トレーニングから退院後の運動療法の習得、ソーシャルワーカへの相談など患者さまが自分らしく腎臓の病気と向き合いながら、食事や社会活動をより充実したものにする手助けをさせていただきます。

急激な腎機能低下

急激な腎機能低下(急性腎傷害:AKI)を認めた場合

特に全身の臓器に障害を認めるような重症の患者さまでは、数週間から数日の間に急激に腎機能の低下を認めることがあります。病院内の入院患者さまのなかでもICU(集中治療室)で認める場合が多いのですが、このような場合には原因となる病気の治療を担う専門科や、集中治療科と密に連携を行いながら治療にあたります。

多発嚢胞腎

多発嚢胞腎と診断された患者さま、血縁の方が多発嚢胞腎と診断され自分もその疑いのある患者さま

常染色体優勢多発嚢胞腎は、両側の腎臓に多数の嚢胞ができ、その嚢胞が徐々に大きくなり腎機能が低下する病気です。平均で60歳までに約半数の割合で腎機能が低下して透析が必要となります。この病気は腎臓のみならず、脳、大血管、心臓、肝臓、消化管などにも障害を認めることがあります。
今までは特異的な治療法がありませんでしたが、2014年3月にサムスカという薬が治療薬として認可されました。この薬は腎臓の嚢胞の大きくなる速度を抑え、腎機能の低下を抑制する効果が期待されています。サムスカの処方については登録医師による診察と、検査が必要になります。当院では登録医が常時患者さまやご家族の方の相談にも外来で対応していますのでご相談ください。

維持透析

維持透析中の患者さま

維持透析患者さまが入院された場合には、どの診療科の疾患であっても腎臓内科が透析治療に協力させていただきます。原因となる病気に対して主治医とともに治療に当たり、早期の退院を目指します。
維持血液透析中の患者さまのシャントが良好な状態でいられるように随時確認を致します。
透析は血液浄化センターやICU(集中治療室)の両方で行うことができます。

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