被ばく低減活動
                
            
				一般撮影(レントゲン撮影)や、CT撮影、マンモグラフィや核医学検査など放射線を使う検査では、ある程度の放射線被ばくがあります。
放射線による被ばくの量は検査によって異なりますが、その被ばく量はどの検査も身体への影響が極めて低いと考えられており、自分自身にがんが発生することや、子孫に遺伝的な異常が起こる可能性は低いと言われています。
しかし、放射線による身体への影響が小さくても無駄な被ばくを避け、診断の妨げにならない程度に、「できる限り被ばく線量を下げること」が大事であると私たちは考えています。
放射線科の放射線管理グループは、年に4回ミーティングを実施し、検査の被ばく線量が最適であるか見直しをしています。2020年には線量管理ソフトが導入され、患者さま全員の被ばく線量データを解析することや、検査の被ばく線量が適切かどうかを客観的に分析することが可能となりました。放射線検査には被ばくというリスクがありますが、病気を発見・診断するという医学的なメリットが大きいため、医師が必要と判断した検査はご相談の上お受けください。
医療被ばくについてご質問等あれば当院の診療放射線技師に気軽にお尋ねください。
			
写損(再撮影)低減活動
私たち診療放射線技師は、医師の指示のもとX線撮影を行っており、医師が診断できる画像を提供する義務があります。医師が診断できないと判断した場合、必要に応じて再撮影を行わなければなりません。再撮影の原因は様々で、患者さまの体動、正面性や側面性、ネックレスや下着の金属やプラスチックによる障害陰影などがあり、再撮影を行うことで医療被ばくの増加、検査時間の延長などの問題につながってしまいます。
そこで、放射線科の写損グループは毎月ミーティングを行い、再撮影を行った割合を写損率として算出し、目標値を設定しています。目標値より下回ることを目標にすることで診療放射線技師への意識付け、撮影技術の向上を図っています。発生した再撮影の原因や傾向を分析し、過去画像を参照したり、患者さまに分かりやすいポスターを作成するなど、様々な防止策を試みることによって、再撮影による医療被ばくの低減に取り組んでいます。
撮影時に、画像に写るか不安なものを身につけている場合は、最初から外していただくか、撮影担当の診療放射線技師にお尋ねください。
既読、補助読影、STAT活動
近年、放射線科医が読影したCTの画像診断レポートの未読・見落とし(未参照)により、診断が遅れ、治療の機会を失った事例の報告があり、全国の医療機関に対して注意喚起がされています。未読・所見の見落としは、医療事故につながりかねない重大な問題のひとつといえます。放射線科の既読、補助読影グループは、放射線科医が読影したCTレポートを再度チェックし、重大な未読・見落としがないかどうかを確認するために設置されています。私たち診療放射線技師が専門知識と経験を活かして、放射線科医の読影結果を再度検証し、未読がないようにサポートしています。これにより、診断レポートの未読・見落としのリスクを低減し、診断の質を確保することを目指しています。
また、画像診断において、撮影後の画像所見(読影)を医師に迅速に共有するSTAT体制の強化に取り組んでいます。STATとは、医療用略語「STAT」の語源は、ラテン語の「statim」(直訳すると「直ちに」)が由来とされています。撮影を担当した診療放射線技師からの情報提供は、異常所見の見落とし減少につながるとされています。特に緊急性のある所見を医師に速やかに共有できるよう、放射線科医による勉強会を開催し、各自研鑽を積みながら活動しています。
学術・認定・資格推進活動
学術活動は、診療放射線技師の専門知識や技術を向上させるために活動しています。定期的に勉強会の情報を配信し、研究成果や治療法についての情報を共有することで、質の高い医療を提供するための知識と技術の向上を図っています。
また、学術活動は認定・資格管理も行っています。個々のスキルや資格を把握し、適切なスタッフを配置することで、専門性を持つチームの形成に努めています。私たちは、勉強会や資格管理を通じて、知識と技術の習得に努め、医療の質の向上を目指しています。
施設認定
- マンモグラフィ検診施設画像認定(NPO法人 日本乳がん検診精度管理中央機構)
 
認定・資格
- 第1種放射線取扱主任者(原子力規制委員会・原子力規制庁)
 - 医学物理士(一般財団法人 医学物理士認定機構)
 - 放射線治療品質管理士(放射線治療品質管理機構)
 - 放射線治療専門放射線技師(一般社団法人 日本放射線治療専門放射線技師認定機構)
 - 鉛作業主任者(公益社団法人 愛知労働基準協会)
 - X線CT認定技師(NPO法人 日本X線CT専門技師認定機構)
 - 画像等手術支援認定診療放射線技師(公益社団法人 日本診療放射線技師会)
 - 磁気共鳴(MR)専門技術者(日本磁気共鳴専門技術者認定機構)
 - 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師(一般社団法人 日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構)
 - 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師(NPO法人 日本乳がん検診精度管理中央機構)
 - 乳がん検診超音波検査実施技師(NPO法人 日本乳がん検診精度管理中央機構)
 - 救急撮影認定技師(日本救急撮影認定技師認定機構)
 - 放射線機器管理士(公益社団法人 日本診療放射線技師会)
 - 放射線管理士(公益社団法人 日本診療放射線技師会)
 - 医療画像情報精度管理士(公益社団法人 日本診療放射線技師会)
 - 臨床実習指導教員(公益社団法人 日本診療放射線技師会)
 - アドバンス診療放射線技師(公益社団法人 日本診療放射線技師会)
 
カイゼン活動、QCサークル活動
当院では、カイゼン活動が行われており、創意くふう提案という形で取り組んでいます。当科でも全員でカイゼン活動に取り組んでおり、様々な提案を日々出しています。QCサークル活動とは、品質管理(Quality Control)を向上させるための業務カイゼン活動のことであり、病院全体で大会が開催されるなど継続的に行われています。「小さなカイゼンでも皆のためになる!」をモットーに、カイゼン活動を継続し、医療の質の向上に努めます。
人材育成活動
人材育成とは、その言葉通り人を育て成長させることであり、放射線科では新人診療放射線技師や研修医、看護師、看護学生、救急救命士など、さまざまな職種の方々に対して、放射線に関する知識や撮影スキルを教える研修プログラムを実施しています。特に新人診療放射線技師と実習生の教育プログラムは、専門知識と実践的な技術をしっかりと身につける必要があるため、丁寧に構築されています。
また、当院は臨床実習病院としての役割も果たしており、将来の診療放射線技師を目指す学生や、中学生の職場見学も受け入れています。人材育成グループのメンバーは、対象者ひとりひとりと相談しながら、適切な教育プログラムを提供する体制を整えています。
機器管理活動
機器管理活動は、放射線機器の安全性と品質を確保するために重要な役割を果たしています。主な業務には、モニタ管理、日常点検、機器品質管理、放射線防護衣管理などがあります。
日常点検や機器品質管理では、機器の正常な機能を確認し、必要なメンテナンスや調整を行います。これにより、機器の故障やトラブルのリスクを低減し、安定的な稼働に努めています。
また、定期的な校正や検査、品質改善活動を行い、患者さまへの安全な医療を提供するための基盤を築いています。
科内IT活動
放射線科の科内ITグループは、RIS(放射線科情報システム)で使用する検査オーダ画面の構築や医事会計システムとの連携、電子カルテやOA(オフィスオートメーション)パソコンのOSアップデートのサポートなど、科内のみならず他部署とも連携をとりながら情報システムのサポートを主に行っています。HIS(病院情報システム)の根幹にも関わるシステムへ関与することもあるため、常に細心の注意のもと、活動を行っています。
DX活動
放射線科では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)化を推進するため活動しています。DXとは、情報技術を活用して医療の質を向上させる取り組みです。具体的には、放射線検査や精度管理などの情報をデジタル化し、電子的に管理することで、迅速かつ正確な診断に資する補助を行っています。また、放射線科業務のDX化を進めることで、技師同士の連携や情報共有がスムーズに行われ、医療の効率化と安全性の向上を目指します。
科内リスク(医療安全)活動
私たちは「ヒヤリ・ハット」と呼ばれる事例や「インシデント」の提出を行っており、これらの活動を通じて医療安全の向上を図っています。科内リスクとは、医療の現場で発生した危険な事例や大きな問題になるかもしれない事例をスタッフが報告する制度です。私たちは日常の業務の中で起こり得るリスクや改善のためのアイデアを共有し、それを科内で議論しています。これにより、問題の早期発見や予防策の実施を行い、患者さまの医療リスク低減に努めています。
科内リンクス(感染対策)活動
放射線科では、感染対策活動に取り組んでいます。院内感染対策活動は、医療の安全性を確保するための大切な取り組みです。私たちは患者さまに対して、感染対策の取り組みを分かりやすく丁寧に説明し、適切な医療を受けていただけるよう環境整備に努めています。トヨタ記念病院の院内感染対策マニュアルに従って、検査前後もスムースに感染対策が実行できるようにしています。
科内CS活動
CSとはCustomer Satisfactionの略で顧客(患者)満足を表しています。病院スタッフとの関わりにより患者さまが不快な思いをされることがないように科内でCS活動を行っています。
患者さまにより良いサービスを提供するため、CS活動に取り組んでいます。医療の質の向上に努めていきます。